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オルメカ文化研究者の日誌
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先日ブログに書いたアロージョ・ペスケーロケーロ遺跡の整理作業を7月末から、ベラクルス州の州都ハラパにある博物館で続けてます。
博物館では、大学院での同期であり、今回のプロジェクトの副団長でもある友人の部屋の一角を間借りして作業してます。遺物量は先日も書いたようにたいした数ではないのですが、僕一人で全てやらなければなりません...。

[写真]ベラクルス大学付属人類学博物館(通称MAX)

とりあえず、手始めに遺物を種類毎あるいは採集した日付毎に段ボール箱に仕分けする作業から始めました。
次は汚れたままの遺物では分析が難しいので、表面についている泥落し作業です。石器は歯ブラシと水で綺麗に泥を洗い流し、土器片は水で洗うと溶けてしまうものが多いので、ブラシとヘラを使って泥を剥がすことに。石器は、採集した量が少なかったのですぐに終わりました。ここまでで、ちょうど1週間。

その後、博物館が2週間の夏休みに入ってしまい、その期間を利用してメキシコシティに戻り、メキシコ滞在のためのビザの更新をしてきました。順調に手続きが進み、10日ほどで新しいビザがもらえました。ついでというのも変な話ですが、せっかくメキシコシティに戻ったので、博論の指導教官の先生と論文についても話をしてきました。今年こそは、なんとか叩き台となる下書きを終わらせないと!

再びハラパに戻り、次は段ボール箱約4箱分の土器の泥落し作業。
これが、結構しっかりと泥がこびりついていて落とすのに一苦労でした...。結局、1週間半ほど毎日毎日泥落し作業を続ける事に...。

[写真]泥落し作業中の土器片

なんとか、遺物を綺麗にする作業が終わり、その後は本来ならば時期や型式毎に分類する作業に入りたかったのですが、様々な理由からとりあえずは石器などの数が少ない遺物の写真撮影を先に進める事になりました。
まずは、唯一採集する事ができた土偶のかけら。残念ながら下半身だけしか見つからず、時期決定をするのに大切な顔の部分がなかったので時期ははっきりしません。

次は、メソアメリカでは「緑色の石」とまとめて呼ばれる、ヒスイや蛇紋岩製の遺物。今回は、磨製石斧の完形1点と破片1点、それからおそらく原材料として持ち込まれたと考えられる原石1点の合計3点の遺物が採集されました。

続いて、黒曜石やチャートなどで作られた石器。殆どはこれらの石材を使って石器を作った時にできた石屑と考えられる小さな破片でしたが、プリズマティック・ブレードと呼ばれる5点の製品が含まれていました。

そして、最後は玄武岩などの岩石で製作された石器。殆ど全ての石器が破片だったので元はどんな遺物だったのかよく分からないものもありましたが、その殆どはメタテと呼ばれる石臼のようなものとマノと呼ばれるすり棒だと考えられます。ただ、1点だけ磨製石斧が含まれていました。

とりあえず、土器以外の写真は先週中頃には終わったので、今は、写真を撮った遺物の実測図を描いてます。慣れない点描画も描いているので少々時間はかかってますが、まあ頑張れば2週間くらいで終わるかな...。それが、終われば後は大量にある土器片に手をつけないと...。ホントに10月半ば頃には終わるのだろうか...。
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